Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゃがゆのき
茶粥の記
矢田 津世子
Lesen Sie 茶粥の記 (ちゃがゆのき) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.568 Zeichen · 30 Bildschirme
小学校時代の話になった。西尾も清子も郷里のその小学校の出身だったけれど、当時の訓導で今もなお残っているのは、その赤髭の老校長だけだった。
「五城目が駄目だったら馬川か飯田川の学校へ頼んでみるつもりでしたけれど……飯田川には、わたしがいた頃の先生方もまだ大抵残っていますよ」
清子は結婚前その飯田川の小学校で代用教員をしていた。
帰郷後の清子の身の振り方については、実家の両親や親戚などがかなり喧ましく干渉するのだったが、清子は姑を守って学校に奉職することに決めていた。孤独な姑を残してどこへ行く気にもなれなかった。
「そうそう、忘れていた、さっき雑誌が出来てきてね」
西尾は上り框の鞄を引き寄せて、印刷油のプンプンする「栄養と家庭」を取り出した。
「鈴木君にもらった原稿が載ってますよ。先々月の二十五日だったから、そうだ、寝つくちょっと前ですね。すると、これが絶筆というわけかな」
パラパラと頁をめくっていたが、ひょいと立つと、床の間の遺骨の前にのせた。
「おっ母さん、この机も貰ってよかったんですね。しめしめ」
西尾は側の机をコツコツと叩いてみたり、抽出しを開けてみたりした。