Japanische Klassiker mit Furigana
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くさまくら
草枕
Lesen Sie 草枕 (くさまくら) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.485 Zeichen · 170 Bildschirme
糞かも知れぬ。
雨垂れ落ちの所に、妙な影が一列に並んでいる。木とも見えぬ、草では無論ない。感じから云うと岩佐又兵衛のかいた、鬼の念仏が、念仏をやめて、踊りを踊っている姿である。本堂の端から端まで、一列に行儀よく並んで躍っている。その影がまた本堂の端から端まで一列に行儀よく並んで躍っている。朧夜にそそのかされて、鉦も撞木も、奉加帳も打ちすてて、誘い合せるや否やこの山寺へ踊りに来たのだろう。
近寄って見ると大きな覇王樹である。高さは七八尺もあろう、糸瓜ほどな青い黄瓜を、杓子のように圧しひしゃげて、柄の方を下に、上へ上へと継ぎ合せたように見える。あの杓子がいくつ継がったら、おしまいになるのか分らない。今夜のうちにも廂を突き破って、屋根瓦の上まで出そうだ。あの杓子が出来る時には、何でも不意に、どこからか出て来て、ぴしゃりと飛びつくに違いない。古い杓子が新しい小杓子を生んで、その小杓子が長い年月のうちにだんだん大きくなるようには思われない。杓子と杓子の連続がいかにも突飛である。こんな滑稽な樹はたんとあるまい。しかも澄ましたものだ。いかなるこれ仏と問われて、庭前の柏樹子と答えた僧があるよしだが、もし同様の問に接した場合には、余は一も二もなく、月下の覇王樹と応えるであろう。