Japanische Klassiker mit Furigana
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くさまくら
草枕
Lesen Sie 草枕 (くさまくら) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.485 Zeichen · 170 Bildschirme
五
一度立て直すと、あとは自然に出ると見える。身を逆まにして、ふくらむ咽喉の底を震わして、小さき口の張り裂くるばかりに、
ほーう、ほけきょーう。ほーー、ほけっーきょうーと、つづけ様に囀ずる。
「あれが本当の歌です」と女が余に教えた。
五
「失礼ですが旦那は、やっぱり東京ですか」
「東京と見えるかい」
「見えるかいって、一目見りゃあ、――第一言葉でわかりまさあ」
「東京はどこだか知れるかい」
「そうさね。東京は馬鹿に広いからね。――何でも下町じゃねえようだ。山の手だね。山の手は麹町かね。え? それじゃ、小石川? でなければ牛込か四谷でしょう」
「まあそんな見当だろう。よく知ってるな」
「こう見えて、私も江戸っ子だからね」
「道理で生粋だと思ったよ」
「えへへへへ。からっきし、どうも、人間もこうなっちゃ、みじめですぜ」
「何でまたこんな田舎へ流れ込んで来たのだい」
「ちげえねえ、旦那のおっしゃる通りだ。全く流れ込んだんだからね。すっかり食い詰めっちまって……」
「もとから髪結床の親方かね」
「親方じゃねえ、職人さ。え? 所かね。所は神田松永町でさあ。なあに猫の額見たような小さな汚ねえ町でさあ。