Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
向うの小沢に蛇が立って、
八幡長者の、おと娘、
よくも立ったり、巧んだり。
手には二本の珠を持ち、
足には黄金の靴を穿き、
ああよべ、こうよべと云いながら、
山くれ野くれ行ったれば…………
一
三浦の大崩壊を、魔所だと云う。
葉山一帯の海岸を屏風で劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく、洋へ躍込んだ、一方は長者園の浜で、逗子から森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分、人死のあるのは、この辺ではここが多い。
一夏激い暑さに、雲の峰も焼いた霰のように小さく焦げて、ぱちぱちと音がして、火の粉になって覆れそうな日盛に、これから湧いて出て人間になろうと思われる裸体の男女が、入交りに波に浮んでいると、赫とただ金銀銅鉄、真白に溶けた霄の、どこに亀裂が入ったか、破鐘のようなる声して、
「泳ぐもの、帰れ。」と叫んだ。
この呪詛のために、浮べる輩はぶくりと沈んで、四辺は白泡となったと聞く。
また十七ばかり少年の、肋膜炎を病んだ挙句が、保養にとて来ていたが、可恐く身体を気にして、自分で病理学まで研究して、0,などと調合する、朝夕検温気で度を料る、三度の食事も度量衡で食べるのが、秋の暮方、誰も居ない浪打際を、生白い痩脛の高端折、跣足でちょびちょび横歩行きで、日課のごとき運動をしながら、つくづく不平らしく、海に向って、高慢な舌打