Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
たといその者の、自から招く禍とは言え、月のたちまち雲に隠れて、世の暗くなるは怪まず、行燈の火の不意に消ゆるに喚き、天に星の飛ぶを訝らず、地に瓜の躍るに絶叫する者どもが、われら一類が為す業に怯かされて、その者、心を破り、気を傷け、身を損えば、おのずから引いて、我等修業の妨となり、従うて罪の障となって、実は大に迷惑いたす。」
と、やや歎息をするようだったが、更めて、また言った。
「時に、この邸には、当月はじめつ方から、別に逗留の客がある。同一境涯にある御仁じゃ。われら附添って眷属ども一同守護をいたすに、元来、人足の絶えた空屋を求めて便った処を、唯今眠りおる少年の、身にも命にも替うる願あって、身命を賭物にして、推して草叢に足痕を留めた以来、とかく人出入騒々しく、かたがた妨げに相成るから、われら承って片端から追払うが、弱ったのはこの少年じゃ。
顔容に似ぬその志の堅固さよ。ただお伽めいた事のみ語って、自からその愚さを恥じて、客僧、御身にも話すまいが、や、この方実は、もそっと手酷い試をやった。
あるいは大磐石を胸に落し、我その上に蹈跨って咽喉を緊め、五体に七筋の蛇を絡わし、牙ある蜥蜴に噛ませてまで呪うたが、頑として退かず、悠々と歌を唄うに、我折れ果てた。