Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
お前さんが話に夢中で、気が着かなんだものだから、そのままほくほく去ってしまった。
私も聞惚れていた処、話の腰を折られては、と知らぬ顔で居たっけよ。
大層お店の邪魔をしました、実に済まぬ。」
と扇を膝に、両手で横に支きながら、丁寧に会釈する。
姥はあらためて右瞻左瞻たが、
「お上人様、御殊勝にござります、御殊勝にござります。難有や、」
と浅からず渇仰して、
「本家が村一番の大長者じゃと云えば、申憎い事ながら、どこを宿ともお定めない、御見懸け申した御坊様じゃ。推しても行って回向をしょう。ああもしょう、こうもしてやろう、と斎布施をお目当で……」
とずっきり云った。
「こりゃ仰有りそうな処、御自分の越度をお明かしなさりまして、路々念仏申してやろう、と前途をお急ぎなさります飾りの無いお前様。
道中、お髪の伸びたのさえ、かえって貴う拝まれまする。どうぞ、その御回向を黒門の別宅で、近々として進ぜて下さりませぬか。……
もし、鶴谷でもどのくらい喜びますか分りませぬ。」
十六
鶴谷が下男、苦虫の仁右衛門親仁。角のある人魂めかして、ぶらりと風呂敷包を提げながら、小川べりの草の上。