Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
今までにも村方で、はあ、そんな事を言って出向いたものがの、なあ、仁右衛門。」
無言なり。
「前方へ行って目をまわしっけ、」
「馬鹿、」
と憤然とした調子で呟く。
きかぬ気の宰八、紅の鋏を押立て、
「お前様もまた、馬鹿だの、仁右衛門だの、坊様だの、人大勢の時に、よく今夜来さしった。今まではハイついぞ行って見ようとも言わねえだっけが。」
「当前です、学校の用を欠いて、そんな他愛もない事にかかり合っていられるもんかい。休暇になったから運動かたがた来て見たんだ。」
「へ、お前様なんざ、畳が刎ねるばかりでも、投飛ばされる御連中だ。」
「何を、」
「私なんざ臆病でも、その位の事にゃ馴れたでの、船へ乗った気で押こらえるだ。どうしてどうして、まだ、お前……」
「宰八よ、」
と陰気な声する。
「おお、」
「ぬしゃまた何も向う面になって、おかしなもののお味方をするにゃ当るめえでねえか。それでのうてせえ、おりゃ重いもので押伏せられそうな心持だ。」
と溜息をして云った。浮世を鎖したような黒門の礎を、靄がさそうて、向うから押し拡がった、下闇の草に踏みかかり、茂の中へ吸い込まれるや、否や、仁右衛門が、