Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
漁師だとか言いましたっけ。一人、わざわざ山越えで浜の方から来たんだって、怪物に負けない禁厭だ、との針を顱鉄がわりに、手拭に畳込んで、うしろ顱巻なんぞして、非常な勢だったんですが、猪口の欠の踏抜きで、痛が甚い、お祟だ、と人に負さって帰りました。
その立廻りですもの。灯が危いから傍へ退いて、私はそのたびに洋燈を圧え圧えしたんですがね。
坐ってる人が、ほんとに転覆るほど、根太から揺れるのでない証拠には、私が気を着けています洋燈は、躍りはためくその畳の上でも、静として、ちっとも動きはせんのです。
しかしまた洋燈ばかりが、笠から始めて、ぐるぐると廻った事がありました。やがて貴僧、風車のように舞う、その癖、場所は変らないので、あれあれと云う内に火が真丸になる、と見ている内、白くなって、それに蒼味がさして、茫として、熟と据る、その厭な光ったら。
映る手なんざ、水へ突込んでるように、畝ったこの筋までが蒼白く透通って、各自の顔は、皆その熟した真桑瓜に目鼻がついたように黄色くなったのを、見合せて、呼吸を詰める、とふわふわと浮いて出て、その晩の座がしらという、一番強がった男の膝へ、ふッと乗ったことがあるんですね。