Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

その貴僧、西瓜が、ストンと若い衆の胸へ刎上ったでしょう。

仰向に引くりかえると、また騒動。

それ、肩を越した、ええ、足へ乗っかる。わああ!裾へ纏わる、火の玉じゃ。座頭の天窓よ、入道首よ、いや女の生首だって、可い加減な事ばかり。夕顔の花なら知らず、西瓜が何、女の首に見えるもんです。

追掛けるのか、逃廻るのか、どたばた跳飛ぶ内、ドンドンドンドンと天井を下から上へ打抜くと、がらがらと棟木が外れる、戸障子が鳴響く、地震だ、と突伏したが、それなり寂として、静になって、風の音もしなくなりました。

ト屋根に生えた草の、葉と葉が入交って見え透くばかりに、月が一ツ出ています。――今の西瓜が光るのでした。

森は押被さっておりますし、行燈はもとよりその立廻りで打倒れた。何か私どもは深い狭い谷底に居窘まって、千仞の崖の上に月が落ちたのを視めるようです。そう言えば、欅の枝に這いかかって、こう、月の上へ蛇のように垂かかったのが、蔦の葉か、と思うと、屋根一面に瓜畑になって、鳴子縄が引いてあるような気もします。

したたかな、天狗め、とのぼせ上って、宵に蚊いぶしに遣った、杉ッ葉の燃残りを取って、一人、その月へ投げつけたものがありました。