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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうやのよびごえ

荒野の呼び声

山本 政喜

Lesen Sie 荒野の呼び声 (こうやのよびごえ) von 山本 政喜 (やまもとまさき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.368 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

イースト・エンドは当時有名な貧民窟で、不潔と病気と犯罪の巣であつて、旅行案内社の者は、そんなことをしていると寝首をかかれるといつてとめたくらいであつた。ジャックは古着屋で出来るだけみじめな服装を選び、アメリカから密航してきた船乗りをよそおつて、イースト・エンドの人たちの中へはいりこんだ。

この経験の記録が後で「奈落の人々」に結晶したのであつて、それはジャック自身が最も愛好し最も自信をもつ作品であり、事実下層社会を取扱つた世界的名著の一つにかぞえられている。

十一月にニューヨークへ帰りつくとすぐ、マクミラン社長ブレットはその出版を引き受け、二カ年間月々百五十ドルの支払いを約束した。

やがてジャックは熾烈な創作慾にもえたち、あらゆることを忘れて三十日間書きつづけて「荒野の呼び声」を書きあげた。そしてそれをサタデイ・イヴニング・ポスト誌に投じて採用されたが、マクミラン社長ブレットは印税でなく出版部数全部に対する原稿料二千ドルという条件で、単行本として早速出版することを申し入れてきた。こういう大金を一時に手に入れたことはなかつたし、今までのブレットの庇護に感謝して、ジャックはそれを喜んで受け、同書のすべての権利を譲り渡した。