Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くさもみじ

荷風随筆集(下)

永井 荷風

Lesen Sie 荷風随筆集(下) (くさもみじ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.512 Zeichen · 63 Bildschirme

Aozora Bunko

そもそもわたくしは索居独棲の言いがたき詩味を那辺より学び来ったのであろう。わたくしはこれを十九世紀の西洋文学から学び得たようにも思い、また江戸時代の詩文より味い来ったもののような気もする。わたくしはたとえ西洋の都市に青春の幾年かを送った経歴がなかったとしても、わたくしの生涯はやはり今日あるが如きものとなってしまうより外には、道がなかったように思われる。わたくしの健康、性癖、境遇、それらのものを思返して見ると、わたくしの身は世間一般の人のように、善良なる家庭の父となり得られるはずはないようである。

多病の親から多病ならざる子孫の生れいづる事はまず稀であろう。病患は人生最大の不幸であるとすれば、この不幸はその起らざる以前に妨止せねばならない。わたくしは自ら制しがたい獣慾と情緒とのために、幾度となく婦女と同棲したことがあったが、避姙の法を実行する事については寸毫も怠る所がなかった。

わが亡友の中に帚葉山人と号する畸人があった。帚葉山人はわざわざわたくしのために、わたくしが頼みもせぬのに、その心やすい名医何某博士を訪い、今日普通に行われている避姙の方法につき、その実行が間断なく二、三十年の久しきに渉っても、男子の健康に障害を来すような事がないものか否かを質問し、その返答を伝えてくれたことがあった。