Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こんにゃくぼん
菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 菎蒻本 (こんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 30 Bildschirme
「旦那、大分いけますねえ。」
膝掛を引抱いて、せめてそれにでも暖りたそうな車夫は、値が極ってこれから乗ろうとする酔客が、ちょっと一服で、提灯の灯で吸うのを待つ間、氷のごとく堅くなって、催促がましく脚と脚を、霜柱に摺合せた。
「何?大分いけますね……とおいでなさると、お酌が附いて飲んでるようだが、酒はもう沢山だ。この上は女さね。ええ、どうだい、生酔本性違わずで、間違の無い事を言うだろう。」
「何ならお供をいたしましょう、ええ、旦那。」
「お供だ? どこへ。」
「お馴染様でございまさあね。」
「馬鹿にするない、見附で外濠へ乗替えようというのを、ぐっすり寐込んでいて、真直ぐに運ばれてよ、閻魔だ、と怒鳴られて驚いて飛出したんだ。お供もないもんだ。ここをどこだと思ってる。
電車が無いから、御意の通り、高い車賃を、恐入って乗ろうというんだ。家数四五軒も転がして、はい、さようならは阿漕だろう。」
口を曲げて、看板の灯で苦笑して、
「まず、……極めつけたものよ。当人こう見えて、その実方角が分りません。一体、右側か左側か。」と、とろりとして星を仰ぐ。
「大木戸から向って左側でございます、へい。