Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

「六ちゃんとは、私は十年前からの知合いですの。とてもいい人で、あなたも御附合なさるといいことよ。私、とてもあの人好きなんですよ。あの人もね。私を好きなんですって。でもねエ、ホホホホ」

いよいよ終りを告げるのかと、南原杉子は一息ついた。が、

「私ね、あなた、好きですわ。あなたの感じ、素晴しいわ、仲良くなりましょうね。一度、六ちゃんと三人で飲みましょうよ。私、うれしいわ。あなたのような方に御会い出来て」

南原杉子は目の前に白い手を発見した。握手を求められたのだ。南原杉子は無造作に手をさしのべた。へんな感触だと思った。年増女のひからびた中に案外粘りっこい色気を感じたのだ。

「お子さんなくて、おさみしくありません?」

南原杉子は、テーブルの下でハンカチを出し、へんな感触のあとを処理しながらたずねた。

「あら、ない方が楽ですわ。でも何故ないって御気付きになったの」

「わかりますわ、お若いですもの」

話は終った。南原杉子はカレワラを出た。非常にこころよい。ビールのせいか。蓬莱和子の饒舌のせいか。いや、南原杉子は、ビールの味も長い饒舌も忘れていた。こころよいのは何故だろう。