Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
私は又一人もてたのだと。
「六ちゃん。やかないでね、女同士だからいいでしょう」
「おかしな人達だ」
南原杉子は、スタンドの上のビールのこぼれたあとに、指を二三度たたいて、仁科六郎の前に三角形をかいた。そしてすぐ消してしまった。
南原杉子は下宿の二階で、畳の上に又三角形をかいた。途端に彷彿と、阿難が浮んだ。
――阿難が居るんだわ。阿難は仁科六郎に恋をしているんだわ。阿難は、蓬莱和子を問題にしていないわ。阿難、お前は、南原杉子をどう思っているの?――
阿難は答えなかった。
五
「お杉は誰かと一しょにくらしているのよ。屹度。だけど、お杉にはスカッとしたところがあるから、アプレじゃないわね」
蓬莱和子は仁科六郎に云った。彼は黙っている。
――僕達、(仁科六郎は自分と阿難を平然に僕達と考えてしまっている。そして又、意識の中に無意識にすでに阿難と呼んでいる)は、度々会っている。そしてお互に現実の相手を、知りあっている。そして又愛し合っているに違いない。だが僕は阿難について何一つ知識がないようだ。僕はきかない。彼女も云わない。又、彼女はワイフのことを、全く、どんな方ともききゃしない。