Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
仁科六郎を愛する故に、かえって、蓬莱建介とのつながりを強いたのよ。何故……。いや蓬莱和子。彼女に対しての働きはないのかしら。それが最も大きいんだわ。彼女が、私に示す、いつわれる真実のマスクをはがしてみたいのよ。彼女の嫉妬と憎悪を露骨にうけたいのよ――
「ねえ、あなた、奥様におっしゃるおつもりなの」
「云ったらいけないのかね」
「どちらでもいいわ」
二人は笑った。蓬莱建介は笑った後、背筋に不愉快な戦慄を感じた。不気味な女だ。と彼は思った。
「私から、云ったらどうかしら」
「六ちゃんに云いつけられるよ」
「奥様、何ておっしゃる? お杉と主人とが浮気しましたって、彼に云うわけ?」
「一体、君は、六ちゃんとどうなんだ」
「どうってきくのは愚問よ」
愚問だと云うのは返答ではない。全く、あいまいな言葉であるが、しかし、愚問よと云われると、二つの意味を一つに確証してしまう。潜在意識のはたらきでである。南原杉子は、度々愚問よという言葉を口にすることがあった。
「じゃ、君は僕を好きだと云ったのは嘘?」
「好きだから本当よ」
「同時に二人を好きなのかい」
「三人よ。あなたの奥様もよ」
「でも、誰かを裏切ったことになるね。