Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
「こっちがのぞむところだね」
「じゃあ余計いいわ」
「だが、君困るだろ、六ちゃんとも会わなきゃなんない」
「あなただって、スポットやこの間の踊り子や、あら、又同じことのくりかえし、とにかくお互いの邪魔にならなきゃいいでしょう」
二人は、会社の電話を教え合ってわかれた。朝、十時である。
別れてから、蓬莱建介は実に妙な気がした。南原杉子。一体彼女は何だろう。わからないものには一種の魅力がある。そして、わかる迄は不安でもある。とにかく、一夜の享楽は享楽だったのだ。彼は会社へむかった。
南原杉子は、洋服はそのまま、ただ髪型だけ、いつものように結いあげで会社へ。
夕刻、仕事から解放された時、彼女はいそぎ足で放送会社へむかった。仁科六郎に会いたいのだ。彼への愛情を確証するためである。受付で彼の名をたずねた。二日お休み。昨日と今日。
彼女は、ダンス場へおもむいた。彼の病気――多分病欠にちがいない――重いような気がする。ダンスを教えながら、何かひどくいらだたしい。早々にひきあげて下宿へ。
南原杉子は二階へあがり、たった自分一人の世界になったと思った途端、つみあげていたふとんに体を投げて急に泣きだした。