Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
その方が気楽よ――
――阿難は今日本当にかなしくってよ。でも、じっとがまんをしているわね。仁科六郎のためによ――
――阿難、かわいそうに――
彼女はぽろりと涙を落した。自動車は、繁華街にちかづいた。
十二
カレワラに、最初にあらわれた客は、仁科たか子であった。
「まあ、いらして下さったのね、ありがとう。嬉しいわ。さあおかけになって、あら、いい御召物ね。えんじ色、よく御似合いだわ」
仁科たか子は狼狽した。
「主人はまだでしょうか」
「あら、もうすぐいらしてよ。さあさ」
その時、蓬莱建介と仁科六郎が、連れだってはいって来た。男同志の友情とはよいものである。道で、仁科六郎に出会った蓬莱建介は、歩きながら今日の期待のことを話したのだ。
「女房の奴、君の妻君も招待したんだぜ」
仁科六郎は一瞬たじろいた。
「まったく、いつまでたっても子供じみた女房だよ」
仁科六郎は蓬莱建介に心の中で感謝した。彼は、無事に終るようにねがった。
――阿難がかわいそうだ。僕はたか子にやさしくしなければならないのだから――
「まあ、大いにのもう。女房の御馳走は有難いもんだ」
蓬莱建介は、仁科六郎の気持をよく推察出来た。