Japanische Klassiker mit Furigana
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おちてゆくせかい
落ちてゆく世界
久坂 葉子
Lesen Sie 落ちてゆく世界 (おちてゆくせかい) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.725 Zeichen · 40 Bildschirme
父も私の顔をみます。
「だって東さん、これ価値ものよ、茶碗だって、あんたんとこのあれよりずっといいことよ」
私はお腹の中で一つ一つを勘定しながらそう云いました。
「でもね。こんなものはすぐうれないのでね。……これが四千円、これがまあ八千円、セーブルはさっぱりなんでっせ。印象の色紙、三千円ね。後は全部で八千円。随分ふんぱつでっせ」
私は、床に今掛けた、山水の絵をみます。箱の上においた茶碗をみます。父は黙っております。
「東さん、この壺はあんまりやすい。せめて、この小さいもの全部で一万二三千はほしいわよ」
あれこれ、東さんと云い合っているうちに私も、もうどうだっていいという気持になりました。いくらに売れても同じです。一週間食べのびるか否かなのですから。結局、二万五千円で話がつきました。父も、それでいいと云うのです。東さんは話終ると一服煙管にきざみをいれて、ぷうっと美味しそうに吸いました。きざみ入れのさらさのえんじがいい色です。
「東さんのところへ行くと、ほしいものだらけ。父様、朝鮮箪笥もあったわよ」
「そうかい。焼いてしまったけど、あのうちにあったのもいい色だったね。