Japanische Klassiker mit Furigana
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おちばいき
落ち梅記
山本 周五郎
Lesen Sie 落ち梅記 (おちばいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.748 Zeichen · 61 Bildschirme
「これからどうなってゆくことだろう」
老臣たちが若狭守の病室を封鎖し、専断に政務を処理している、若狭守はもう恢復したのに、かれらは病状を偽って表へ出さないのだ。そんな風評が、金之助の耳などにもつくようになった。――すると或る日、御殿から住居へ戻ると、一人の下僕ふうの男が待っていて、彼に一通の封書を渡した。
――会って話したいことがある、使いの者が案内するからすぐに来て呉れ、まわりの者に不審をうたれぬよう注意のこと。
そういう手紙で、差出し人の名はなにも書いてなかった。金之助はすぐに村松平馬を思いだした。彼に違いない、こう思って支度を直し、その使いの男といっしょに上屋敷を出ていった。――あとで考えると葺屋町である、そのときは初めての町で見当もつかず、ただ案内されたのが芝居茶屋だということだけは察しがついた。着飾った男女が華やいだ声で呼びかけたり、賑やかに話したりしながら、忙しげに往き来する廊下を通り、二階へ上って奥まった部屋の前へゆくと、使いの男は襖際に膝をついて「平次でござります」と云った。……すると内側から襖が明き、そこに一人の少年が坐っていた。