Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

祖父は聡明な人ではあったけれど、我の強い嫌いがないわけでもなかった。

おそらく父は自分の意志で事を極めたことはなかったに違いない。一家の主としても父親としても、自分から配慮するということがなく、常に人から配慮される側の人であった。世間に出て人に立ち交ったことがないばかりか、自分の息子がどんな顔をしているのかさえ知ることが出来なかったのだから。

父はときどき大阪おばあさんに連れられては寄席などに出かけていた。この人は太棹は女としてはかなりのてだれであったそうだが、私が物心がついた頃には、もう耄碌していてみんなから侮られていた。私が十のときに寄る年波で亡くなった。思えばこの人は父の守りをするためにこの世の中へ生れてきたような人であった。

私は子供のときはひどいはにかみやで、人見知りばかりしていた。戸外で活溌に遊んでいる友達の仲間入りがなかなか出来なかった。学校へ行くようになってからも、当座はそのつど送り迎えをしてもらっていた。私の周囲にもやはりいじめっ子というものがいた。私はかるい気鬱症に罹った。祖母は「なんたる懦弱だか。」と云った。祖父は心配して私を清元の稽古に通わせるようにした。