Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

はじめさんは大事そうにそれを兵児帯の間にくるんで、帰る途々落しはしないかと時々手で触りながら、「ぼくは来年学校を出たら、あの問屋さんに奉公に行くんだよ。どうせぼくは勉強が出来ないんだから仕方がないや。清ちゃんは中学校へ行くんだろう。おっ母さんはね、番頭さんがいい人で気心が知れているからあの問屋さんがいいって云うんだよ。番頭さんはぼくがお使いをするたんびにお駄賃をくれるんだ。」と云った。

角町の稲本楼の前に出ていた馴染の本屋で買物をしていたときに、はじめさんが実さんと連れ立ってくるのに逢ったが、はじめさんはわざとそっぽを向いて、チエッ、チエッと云って行き過ぎた。女臭くてかなわねえやと云わんばかりのそぶりであった。のぶちゃんは顔色を曇らせて、私たちの気を兼ねるように、「どうして、うちの兄さんは、ああいけずだか。」と云ったが、その口振りには日頃の母親の嘆息をそのまま踏襲しているようなふしが見えた。

本屋で私はその頃発刊されていた『良友』という少年雑誌を、のぶちゃんは『少女世界』を、そしてお糸さんは古い『新小説』を二冊買った。お糸さんはまた小間物屋でのぶちゃんに根掛を買ってやった。