Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

僕はそのとき彼女から自己の記録を保持するために懸命の努力をつづけている選手のような印象を受けた。彼女はそのために定期の市のほかに、毎日自転車に乗って建場や製紙原料屋までを馳けずり廻っているのである。僕は一体に男のおおまかよりは女のつましさの方に心を惹かれる。

こないだ彼女から贈物をもらった。

十月四日は僕の誕生日である。僕はそのことをなにかの話のついでに彼女に告げたらしいのだが、彼女は覚えていて、その日ぶらりと彼女の店に立寄った僕に贈物をくれると云うのである。

「均一本のお客様に対してかね。」

「いいえ。一読者から敬愛する作家に対してよ。」

「へえ。なにをくれるの?」

「当ててごらんなさい。わたし、これから薬屋へ行って買って来ますから、おじさん、一寸店番しててね。」

彼女は銭箱から五拾円紙幣を一枚掴み出して店を出て行った。なにをくれるつもりだろう。口中清涼剤だろうか。まさか水虫の薬ではあるまい。待つ間ほどなく彼女は戻ってきて小さい紙包を僕にくれた。

「あけていいかい?」

「どうぞ。」

あけると中から耳かきと爪きりが出てきた。なるほど。僕にはそれがとても気のきいた贈物に思えた。