Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

と吠える。その様子は、「私はあなたが、私を呼んでいるのだということをよく知っています。」と云っているようにも見え、また、「なんの御用ですか。」と云っているようにも見える。ふとして私が、メリーは前の飼主のことを思い出しているのではなかろうかと僻んだことを考えたりしていると、メリーは私の気持を察したかのように私に戯れかかり、自分はいまの瞬間を楽しむことでいっぱいで他意はないのだというようなしなをして、私の気まずさを救ってくれる。私はこれまで誰からも、こんなふうに媚びられたことはなかった。メリーは前の飼主のもとでは、なんという名で呼ばれていたかは知らないが、いまはもう全く、私のメリー以外のものではない。前の飼主にしてからが、あるいはメリーを捨てたのだとしても、決して薄情な人ではなかったに違いない。やむにやまれぬ事情があったのであろう。その一家には、とくにメリーと仲良しの坊やがいたかも知れない。メリーを見ていると、そんな想像が湧いてくるのだ。

こないだ私は手帳にこんなことを書きつけたばかりだったのだが。

「……私のもとには殆ど訪問客はない。私もまた人をたずねない。