Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

母としては私が曲りなりにも学業を続けていることでわずかに慰め、また私を許してくれていたのだろう。

その後イエはやはり稽古には来なかった。イエについては時折弟子達のもたらす消息を聞くばかりであった。私がイエと路上で逢ったその年の暮のこと、私達は唐突にイエが大阪にいるということを聞いた。イエはあの三味線弾きのあとを追って大阪へ行ったのだという。大阪には一年ほどいたようである。イエがまた東京に帰ってきたことを聞いたのは、私の母が死ぬ二月ほど前のことであった。そして母の葬式の日に私はイエを見た。

その年の春兄は無事に年期を勤め終え、一年のお礼奉公も済まして家に帰っていた。引き続いてお店の仕事をさせてもらい、また自分の顧客も出来つつあった。私はと云えば、私はまた祖母との折合いが悪く、家を出て神田の西さんという親戚のお医者さんの許から通学していたのだが、兄の帰家と共にまた家に戻った。私は漸く四年になっていた。母が死んだのは夏休みに入って間もなくであった。私は母の病いをよそに家を空けて海岸へ行っていた。母の臨終の枕許に私はいなかった。

葬式の日西さんが追悼の辞を読んだ。