Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
」
私はこの絵が欲しかったのだ。離れの壁にこの絵をかけたいと思った。けれども、いきなり無心も出来なかった。
家に帰って、私はメリーの小屋のわきにある柿の木にメリーを繋いだ。ことしは柿の当り年らしく、柿の木の梢には、枝もたわわに実が成っている。この実が色づく頃には、メリーは仔どもを産むのだと私は思った。
私は市役所へ行って飼育の登録申請をし、また保健所へ行って、獣医の証明書を提出し、両方から一枚ずつ鑑札をもらった。鑑札を渡してくれるとき、係りの女の子は私に向い、この鑑札を必ず首輪に附けて置くようにと注意した。私はまだメリーに首輪を買ってやってはいなかった。
私は駅前の繁華街にある刃物屋で、メリーのために首輪と鎖を買った。私は首輪に私とメリーの名前を彫らせた。私は奮発して、首輪も鎖も上等のを買った。私にはむかしから羊羹や沢庵をうすめに切るくせがある。私はこの際自分のそういう性質を改良すべきだと思った。かえりに私は牛乳屋に寄り、毎日一本宛配達してもらうことにした。家に帰って私はメリーの頸に首輪をはめた。さあ、これで私達の間柄は、神様の前にも世間の前にも正当なものになったのだ。