Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

その隣りの寝台には、痩せこけた不精髯を生やした五十がらみの親爺がいて、息子らしい若者が世話をしていた。おすぎは若者が溲瓶をさげて部屋を出て行く姿をなんとなく目にとめた。ほかは附添いはみな女なので、その若者の姿はなにか神妙に見えた。

「こんどはどうもすみません。とんだお世話になりますね。」

と順吉は改まって云った。

「いいえ。気がねをしないで、なんでも遠慮なく云いつけて下さいね。」

「ありがとう。」順吉は気の毒そうに笑いながら、「それでも、おすぎさんはたっしゃだなあ。」

「ええ。おかげさまであたしもこの子も丈夫ですわ。」

トシはふしぎそうに病室の中を見廻していたが、順吉の顔を見あげて、にこにこしながら、

「ああちゃん、ああちゃん。」と呼びかけた。

「まあ。この子は誰を見ても、ああちゃんの一点張りなんですの。おじちゃんですよ。おじちゃんと云ってごらん。」

順吉はトシを抱きとって、

「トシ坊は愛嬌ものだね。いくつ? そうお、三つ。トシ坊はきょうからおじちゃんと、病院でねんねするんだよ。いい子だから、泣かないね。」

そう云いながら、順吉はトシの頬に顔を寄せた。順吉はおあいそをしているのではない。