Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
「おすぎさん。ちょっとここを触ってごらんなさい。」
そう云って、寝台からその短く刈った頭を伸して、おすぎの指を触れさせて、
「いやにでこぼこしているでしょ。こういうのを法然頭って云うんだそうだ。子供の頃、お袋から聞いたんですが、思い出したりすると可笑しくて。」
「でもそとからはわからないですよ。」
おすぎはわからないままに気の毒そうに云った。
「いいえ。お袋の話だと縁起がいいらしいんだけど。」
「あら、それじゃ結構じゃありませんか。」
そう云ってから、おすぎはなんとつかず可笑しくなった。順吉も笑いながら、
「結構でもないがなあ。」
と云ったが、なにか楽しそうな眼つきをした。
順吉には母親に膝枕をして耳の掃除をしてもらった遠い記憶がある。母親は順吉の小さい凸凹のある頭をなでて、「お前は法然頭だよ。こういう恰好の頭の人は出世するんだってさ。順吉はいまにえらい人になるかも知れないよ。」と云ったりした。順吉に話して聞かすというよりは、それを口にするのが母親にとって如何にも楽しいようであった。順吉はくすぐったい気持がした。こんなのがお袋の味というものであろうか。母親が後家の身を立て通してきたのも、順吉という者があったればこそである。