Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

」鴎外はこういう青年の像を描こうとしたのである。それはまさしく青年であって、若き燕などと云うものではなかった。泰西名画に「笛を吹く少年」とか「縄とびをする少女」とかいうのがある。隣家の青年は僕にとってはさしずめ「本を読む青年」でしかない。決してその平面図から抜けて出て、僕の生活図形に入ってくることはないであろう。けれどもその静かな生活のたたずまいの中にいる青年の無心なさまを眺めると、たとえば光りを浴び風にそよぐポプラの梢を仰いだときに僕の心の中でなにかがゆれるように、僕の心に伝わってくるものがある。

ときたま道で行き逢うこともある。お互いに隣同士なことは知っているが、僕達は挨拶などはしない。知らん顔をしている。無言で擦れ違うだけである。名前も知らない。標札などには眼を向けて見ないのである。

牛乳一合

うどん一斤。

卵二つ。

味噌二百匁。

ほうれん草。

僕はいま自炊の生活をしている。それでも七輪や鍋、薬鑵、庖丁、俎板、茶碗などが揃ったのはつい最近のことである。そしてどうやらいまのところはこの生活を維持している。けれども僕の不安定な生活も久しいものである。いつこの生活が突き崩されるか、それは図り知れたものではない。