Japanische Klassiker mit Furigana
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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.667 Zeichen · 30 Bildschirme
夏の朝、野良へ行こうぜとオカカにゆり起されると、
「夏は日が長すぎるすけ、まだ、ダメら」
アネサはそう答えて、あとはいくらゆり動かしても自分の目覚めに適当な時間がくるまで起きてこなかった。更に手を加えて起そうとすると、空俵のように振りとばされてしまうから、オカカはわきたつ胸をジッと抑えなければならない。しかし論争の巧者であるから、アネサの夏の言葉を冬のくるまで胸にたたんでおく。
冬がきて、まだ暗がりにアネサをゆり起して、
「アネサ、起きれ。起きねとシッペタへ真ッ赤の釜のシッペタくッつけてやるろ」
シッペタはお尻のことである。アネサは毛虫のような眉毛をビクリとうごかしただけで、
「まら、外はマックラら」
まら、は、まだということである。ダをラと発音することの多い方言なのである。
「冬は日が短イじけエろ。起きれてがんね」
「短イじけエもんは、仕方がね。オレが長アごうしてやれね」
オカカは待っていました、と、
「この野郎、こきやがんな。ンナは、この夏のこと、夏は日が長アげエと云うたがん忘れやがったか。さア、カンベンならね」
と半年がけの論争を吹ッかけても全然ムダである。