Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.667 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

天狗様のアンニャもキンカの野郎も、ウスノロで、ズクナシで、気が小さくて、いつもクヨクヨと、まるで一匹の悲しい虫だと思えばマチガイない。どこのアンニャも、まったく芋虫よりも魅力のある虫ではない。しかし、天狗様のアンニャのヨメになると、いい着物がきられるし、うまい物がたべられるし、威張っていられるし、それから、怠けていられる。はじめの三ヶ条によって、七ツ八ツのころから天狗様のアンニャのヨメになりたいと思っていたが、キンカの野郎と一しょになって以来は、怠けていられる、という最後の一条までがわが一生の遺恨となって無性にアネサのハラワタをかきむしるのである。

しかし、アネサはこのことを誰にも言えなかった。物には限度がある。だれでも身の程というものが薄々分っているものだ。これが、又、人間の悲しいところでもある。アネサは身の程を薄々感じていた。オレがいい着物がきたい、天狗様のアンニャのヨメになりたいと云うと、誰かがなぜか笑うような気がするが、そうではあるまいか、というような、もっと漠然とした感じ方であった。

天狗様というのは、この村の鎮守様のことである。本当の名は手長神社というのだそうだ。