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Japanische Klassiker mit Furigana

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らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.807 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

どうだ。承知してくれるか」

カメは腹がペコペコだから、待っていました、文句はない。

「よし。それなら、上ってやる。五ツでは、今度は、ダメだぞ。今度は二度目だから、十よこせ。見せただけではダメだぞ。食ってから、上ってやる」

さっそくミソ漬けのムスビをしこたまこしらえてザルに入れて綱をつけて降してやる。カメはこれを一つ余さず平らげて、とうとう望みを達したから、この上の慾はない。

「ようし。分った。ただ、とびこんだだけではダメだ。一晩井戸の中にいると、ムスビをくれるな。シメ、シメ。これで野郎どもの考えが分った」

カメは安心してスルスルあがってきた。

「この野郎」

よってたかって、ふんづかまえる。ぶんなぐる。

「アッ」

カメはおどろいて井戸へとびこもうと思ったが、ちゃんと手筈がついている。二手に別れて、一手は素早く井戸のフタを閉じてしまった。

こうなっては、仕方がない。オカにいると、何をされるか分らない。井戸がなければ、川の中へ逃げこむ以外に手がないから、カメは人々の手の下をくぐって、一目散に逃げる。

「野郎まて! 今度こそはカンベンしないぞ」

井戸のフタをとじておけば、大丈夫。