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Japanische Klassiker mit Furigana

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らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.807 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

重い空気をつむのが長息法の極意で、長い修業を重ねないと、思うように積むことはできない。

カメは充分に重い空気をつめこんだから、今度は一息、胸へつめる軽い空気をグゥーッと吸う。

そして水の中へ歩きだす。歩きながら胸の軽い空気をだして行く。ちょうど鼻までかかったときに軽い空気をだしてしもう。すると、もう、浮くことがないのである。

鼻が隠れる。目が隠れる。額まで隠れる。とうとう、スッポリ、水中に没してしまった。カメは少しずつ重い息をだして舌でなめて呑みこんで肺へ送って、又なめて外へ出す。そして、あくまで静かに、歩く。この静かさも極意で、絶対速度というものがあるのであるが、これを発見するまでには、長い試みの時間が必要なのである。言葉で教えたり教わったりして知ることは、ちょッと不可能である。

急いで歩くと、かえって重い息を浪費してしもうし、魚もにげてしもう。初心のうちは、爪先で歩きがちだが、こういう時は絶対速度を会得するには遠いのである。踵が川底へつくようになると、そろそろ魚の心がわかりかけるが、まだ魚をつかむことはできない。

踵が常にピッタリと川底へ落ちてそれが自然になると、魚をつかむことができる。