Japanische Klassiker mit Furigana
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らくらいのあと
落雷のあと
豊島 与志雄
Lesen Sie 落雷のあと (らくらいのあと) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.072 Zeichen · 14 Bildschirme
印刷機械其他万般の修理復興や、急激に輻輳してきた仕事の註文などで、寸暇もない有様でした。体力と精神力を睨み合せて、働けるだけ働くというのが、彼等仲間の主義でした。立川の会社の実状を聞いて、敗戦国と戦勝国との差だと笑い、戦勝国から敗戦国へ鞍代えして来ないかと勧めました。
その久保の工場の、土間に小卓を置いた狭い薄暗い室に、立川は三十分近く待たされました。
シャツに半ズボンのみなりで、そしてシャツが真白で手が黒くよごれてる姿で、久保はゆっくり出て来ました。
「珍らしいね。今日は休みか。」
立川は笑顔もせず、何でもない当然のことをでも話すような調子で、会社に辞表を出してきたところだと言いました。
「それで、会社では受け附けたかい。」
「出しただけだ。」
「うむ、元来が、辞職願というやつは、辞職届とすべき性質のものだからね。よかろう、今日から僕等の仲間にはいれよ。」
「仕事さえあれば、結構だ。」
「仕事はしきれないほどあるよ。」
その時久保は、口を噤んで、じっと立川を眺めました。少しく長すぎるほど眺めました。
「どうしたんだ、元気がないね。」
「僕は昨日から、どう言ったらいいか……精力的な沈潜した悲哀……そんなものがあるとしたら、それに囚われてるらしい。