Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
池野作右衛門という者一番首を取る、面々励み勇み喊き叫んで攻立った。作右衛門素捷く走り戻って本陣に入り、首を大将の見参に備え、ここに名生の城と申す敵城有って、先手の四人合戦仕った、と述べた。サアここである。氏郷がここで名生の城に取掛けて手間取って居れば、四年前の小山田筑前と同じ事になって、それよりも猶甚だしい不利の場合に身を置くことになるのである。鏖殺さるべき運命を享受する位置に立つのである。
氏郷は真に名生の城が前途に在ったことを知らなかったろうか。種々の書には全く之を知らずに政宗に欺かれたように記してある。成程氏郷の兵卒等は知らなかったろうが、氏郷が知らなかったろうとは思えぬ。縮みかえって居た小田原を天下の軍勢と共に攻めた時にさえ、忍びの者を出して置いて、五月三日の夜の城中からの夜討を知って、使番を以て陣中へ夜討が来るぞと触れ知らせた程に用意を怠らぬ氏郷である。まして未だ曾て知らぬ敵地へ踏込む戦、特に腹の中の黒白不明な政宗を後へ置いて、三里五里の間も知らぬ如き不詮議の事で真黒闇の中へ盲目探りで進んで行かれるものでは無い。小田原の敵の夜討を知ったのは、氏郷の伊賀衆の頭、忍びの上手と聞えし町野輪之丞という者で、毎夜毎夜忍びて敵城を窺ったとある。