Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
三月は斎藤九郎兵衛が京都から浅野長政等の書を持って来て、いよいよ関東奥羽平定の大軍が東下する、北条征伐に従わるべきである、会期に違ってはなりませぬぞ、というのであった。そこで九郎兵衛に返書を齎らさしめ、守屋守柏、小関大学の二人を京へ遣ったが、政宗の此頃は去年大勝を得てから雄心勃々で、秀吉東下の事さえ無ければ、無論常陸に佐竹を屠って、上野下野と次第に斬靡けようというのだから、北条征伐に狩出されるなどは面白くなかったに相違無い。ところが秀吉の方は大軍堂々と愈々北条征伐に遣って来たのだ。サア信書の往復や使者の馬の蹄の音の取り遣りでは無くなった、今正に上方勢の旗印を読むべき時が来たのだ。金の千成瓢箪に又一ツ大きな瓢箪が添わるものだろうか、それとも北条氏三鱗の旗が霊光を放つことであろうか、猿面冠者の軍略兵気が真実其実力で天下を取るべきものか。政宗は抜かぬ刀を左手に取り絞って、ギロリと南の方を睥睨した。
たぎり立った世の士に取って慚ずべき事と定まっていたことは何ヶ条もあった。其中先ず第一は「聞怯じ」というので、敵が何万来るとか何十万寄せるとか、或は猛勇で聞えた何某が向って来るとかいうことを聞いて、其風聞に辟易して闘う心が無くなり、降参とか逃走とかに料簡が傾くのを「聞怯じ」