Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
木村父子は何も越中立山から日本アルプスを越えて徳川家康と秀吉を挟撃する相談をした内蔵介成政ほどの鼬花火のような物狂わしい火炎魂を有った男でも無いし、それを飛離れた奥地に置いた訳は一寸解しかねる。事によると是は羊を以て狼を誘うの謀で、斯の様な弱武者の木村父子を活餌にして隣の政宗を誘い、政宗が食いついたらば此畜生めと殺して終おうし、又何処までも殊勝気に狼が法衣を着とおすならば物のわかる狼だから其儘にして置いて宜い、というので、何の事は無い木村父子は狼の窟の傍に遊ばせて置かれる羊の役目を云い付かったのかも知れない。筋書が若し然様ならば木村父子は余り好い役では無いのだった。
又氏郷に対して木村父子を子とも家来とも思えと云い、木村父子に対して氏郷を親とも主とも思えと秀吉の呉々も訓諭したのは、善意に解すれば氏郷を羊の番人にしたのに過ぎないが、人を悪く考えれば、羊が狼に食い殺された場合は番人には切腹させ、番人と狼と格闘して狼が死ねば珍重珍重、番人が死んだ場合には大概草臥れた狼を撲ちのめすだけの事、狼と番人とが四ツに組んで捻合って居たら危気無しに背面から狼を胴斬りにして終う分の事、という四本の鬮の何れが出ても差支無しという涼しい料簡で、それで木村父子と氏郷とを鎖で縛って膠で貼けたようにしたのかも知れない。