Japanische Klassiker mit Furigana
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あおじろいつき
蒼白い月
徳田 秋声
Lesen Sie 蒼白い月 (あおじろいつき) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.440 Zeichen · 19 Bildschirme
私はこの辺で漁れる鯛のうまさなどを想像しながら言った。
私たちは松の老木が枝を蔓らせている遊園地を、そこここ捜してあるいた。そしてついに大きな家の一つの門をくぐって入っていった。昔しからの古い格を崩さないというような矜りをもっているらしい、もの堅いその家の二階の一室へ、私たちはやがて案内された。
「ここは顕官の泊るところです。有名な家です」桂三郎は縁側の手摺にもたれながら言った。淡路がまるで盆石のように真面に眺められた。裾の方にある人家の群れも仄かに眺められた。平静な水のうえには、帆影が夢のように動いていた。モーターがひっきりなし明石の方へ漕いでいった。
「あれが漁場漁場へ寄って、魚を集めて阪神へ送るのです」桂三郎はそんな話をした。
やがて女中が高盃に菓子を盛って運んできた。私たちは長閑な海を眺めながら、絵葉書などを書いた。
するうち料理が運ばれた。
「へえ、こんなところで天麩羅を食うんだね」私はこてこて持ちだされた食物を見ながら言った。
「それああんた、あんたは天麩羅は東京ばかりだと思うておいでなさるからいけません」桂三郎は嗤った。
雪江はおいしそうに、静かに箸を動かしていた。