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Japanische Klassiker mit Furigana

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くすりうり

薬売り

小川 未明

Lesen Sie 薬売り (くすりうり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.791 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、こんな日に航海する人は、どんなに難儀をしなければならぬだろうと思いますと、薬売りのじいさんは、いまごろどうしたろうか、もはやどこかの港に着いたであろうか、それとも、また遠い国へいくので、船に乗っているであろうかと、その身の上などが案じられたのでありました。

このとき、まくらもとの雨戸をたたくような音がしました。太郎は、きっと海の方から強く吹きつける風の音だろうと思っていました。すると、つづいて羽ばたきする音が聞こえました。

「きっと、風のために、海鳥がねぐらを取られて騒いでいるのだろう。」と思いました。

その羽ばたきが、あまりたびたび聞こえましたので、なんであろうと、太郎は起きて、雨戸を開けて外を見ますと、空は真っ暗で星の光ひとつ見えずに、波が高く騒いでいました。

そのとき、不意に、一羽の鳥が窓からへやの中に飛び込みました。それは、いつか命を助けてやったわしでありました。わしは一つの袋をくわえていました。そして、畳の上に落とすと、また暗の中に飛び込んで、どこへともなく立ち去って、姿をくらましたのであります。

太郎は、わしが落としていった袋を拾い上げてみますと、それは黄色な小さな袋であった。