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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぶおとし

藪落し

山本 周五郎

Lesen Sie 藪落し (やぶおとし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.118 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

勘三郎は妻を愛していた、のっぴきならぬほどの愛情であった、お豊の顔が貧乏に痩せ、出産と長い病気に血のけをなくした頬がたるんで、油気のない髪が抜けあがっているのを見ると、彼の心は抑えることのできぬ悲しさと悔いに痛むのである。しかし結局それはそれだけのことでしかなかった。お豊に対してどんな強い愛情を感じているときでも、彼の心はいつも外から呼びかける声を聞いているのだ。

勘三郎はふたたび山入りを始めた、お豊の体も暖かくなるにしたがって恢復し、子供も弱いながら発育していった。

困難な年が続いた。五年めの冬には田地畑をすっかり失い、家と土蔵とを債権者の手に取られてしまったので、勘三郎は妻と子を連れて叔父の世話にならなければならなかった。

――子供もそろそろ学校へあがるようになったのじゃないか、ばかな夢は捨てて心を入れ換えたらどうだ、地道に働く気なら親子三人の食ってゆけるくらいの田地は分けてやる。

叔父の多吉は与石の家から出て、現在の家へ養子に入ったのだが、入婿するとき二町歩ばかりの田を持って行ったので、次第によってはそれを勘三郎にやってもよいと思ったのである。