Japanische Klassiker mit Furigana
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そせい
蘇生
豊島 与志雄
Lesen Sie 蘇生 (そせい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.974 Zeichen · 31 Bildschirme
彼女は座に居る人々に一礼したまま、黙って敬助の枕頭に寄ってきた。敬助はじっとその顔を眺めた。すると彼女の眼から涙が出て来て、遂には其処につっ伏してしまった。
「もう大丈夫です。」と敬助は云った。
八重子は顔を上げた。もう泣いてはいなかった。
「御免下さいね。」そう彼女は云って微笑もうとしたらしかった。然しその微笑は、顔の筋肉を歪めたまま中途で堅くなった。彼女はそれをまぎらすためか、敬助の頭の下の氷枕に触ってみた。氷が水の中で音を立てた。その時初めて敬助は、自分が高熱に襲われてることを知った。
「僕はよっぽど熱が高かったのか。」と敬助は尋ねた。
「うむ、一時は心配だった。」と中西は答えた。「然しもう大したことではない。」
けれどもそれは気の無さそうな声だった。敬助は黙ってしまった。八重子の方へ何か云ってみたかったが、言葉がみつからなかった。
やがて、中西と八重子とは隣りの中西の室へ立って行った。暫く何か話し合ってるらしかったが、二つの室は壁に距てられていたので、声さえも聞えなかった。敬助は天井板の木目を見ながら、自分達に味方してくれた者は中西と八重子と秋子とだけだったことを思い出した。