Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
そせい
蘇生
豊島 与志雄
Lesen Sie 蘇生 (そせい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.974 Zeichen · 31 Bildschirme
婆さんが褞袍を着てつっ伏していた。それを見ると彼は何となく安心を覚えてまた眼を閉いだ。そして、電球に被せてある黒い紗の布がいつまでも眼の中に残っていた。
……とん、とん、とん、と間を置いた物音が何処からか聞えて来た。するといつのまにかそれが人の足音に変った。梯子段を上ってくる音だった。敬助はふと眼を開いた。足音はなお続いた。彼はじっと待っていた。然しいつまでもその足音は梯子段を上りきらなかった。そのうちにふと足音は止んだ。
敬助はぞっと全身に戦慄を覚えた。そしてその恐怖の情が静まると、彼の心は急に暗い淵の中につき落された。彼は前後を身廻した。室の中は静まり返ったような気がした。そして思わず「慶子さん!」と叫んだ。声には出なかったがそれが室の中一杯に反響したようだった。「慶子さん、慶子さん!」そういう響きが四方から起ってきた。そして「慶子は死んだ」という感情が現実の姿を取ってまざまざと現われてきた。
彼は急に起き上った。皆疲れきった眠りに陥っていた。機会は絶好だった。彼は立ち上ろうとした。然し全身に力がなくてまた其処に屈んでしまった。その時彼の頭にちらと閃めいたものがあった。