Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そせい

蘇生

豊島 与志雄

Lesen Sie 蘇生 (そせい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.974 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

すると次には、夢を見たような心地に変った。そして自然に頭がその方へぐいぐい引ずられていった。腹の中が急にむかむかして来た。彼は口の中にたまった唾液を呑み下した。すると何かふくよかな匂いが鼻に感じられた。彼ははっと息をつめた。「慶子さん!」何処かに在る幻に彼はそう叫びかけた。そしてがばと身を起した。

すぐに彼は看護婦と中西とから押えられて、また蒲団の中に寝かされた。いつのまにか幻が消えてしまった。身体の節々が重く痛み出した。そして頭の下には氷枕があてがってあることに気付いた。ずきんずきんと頭痛がして、眼に見る物の線がそれにつれてちらちらと震えた。彼は眼を閉じた。

暫くすると頭の中が真暗になって来た。驚いて眼を開くと、彼の顔を先刻から見つめていたらしい看護婦の視線がちらと外らされた。中西は両腕を組んで首を垂れていた。向うに婆さんが坐っていた。袖を顔に当てがっていた。「何をしてるんだろう?」と彼は思った。そしてふと見ると、皆の後ろの方に火鉢が一つ置きざりにされていた。見覚えのある鉄瓶がかかっていた。口から白い湯気がたっていた。それを見ると全身の悪寒を感じた。