Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「御飯だけはあります」
「御飯だけあればいい、なに御菜はいらないよ。――頼んで置いた婆さんは明日くるそうだ。――もう少し慣れると、東京だって京都だって同じ事だ」
小夜子は勝手へ立った。孤堂先生は床の間の風呂敷包を解き始める。
十
謎の女は宗近家へ乗り込んで来る。謎の女のいる所には波が山となり炭団が水晶と光る。禅家では柳は緑花は紅と云う。あるいは雀はちゅちゅで烏はかあかあとも云う。謎の女は烏をちゅちゅにして、雀をかあかあにせねばやまぬ。謎の女が生れてから、世界が急にごたくさになった。謎の女は近づく人を鍋の中へ入れて、方寸の杉箸に交ぜ繰り返す。芋をもって自からおるものでなければ、謎の女に近づいてはならぬ。謎の女は金剛石のようなものである。いやに光る。そしてその光りの出所が分らぬ。右から見ると左に光る。左から見ると右に光る。雑多な光を雑多な面から反射して得意である。神楽の面には二十通りほどある。神楽の面を発明したものは謎の女である。――謎の女は宗近家へ乗り込んでくる。
真率なる快活なる宗近家の大和尚は、かく物騒な女が天が下に生を享けて、しきりに鍋の底を攪き廻しているとは思いも寄らぬ。