Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
女もつづいて這入る。明かなる日永の窓は若き二人に若き対話を促がす。
「昨夜は御忙しいところを……」と女は入口に近く手をつかえる。
「いえ、さぞ御疲でしたろう。どうです、御気分は。もうすっかり好いですか」
「はあ、御蔭さまで」と云う顔は何となく窶れている。男はちょっと真面目になった。女はすぐ弁解する。
「あんな人込へは滅多に出つけた事がないもんですから」
文明の民は驚ろいて喜ぶために博覧会を開く。過去の人は驚ろいて怖がるためにイルミネーションを見る。
「先生はどうですか」
小夜子は返事を控えて淋しく笑った。
「先生も雑沓する所が嫌でしたね」
「どうも年を取ったもんですから」と気の毒そうに、相手から眼を外して、畳の上に置いてある埋木の茶托を眺める。京焼の染付茶碗はさっきから膝頭に載っている。
「御迷惑でしたろう」と小野さんは隠袋から煙草入を取り出す。闇を照す月の色に富士と三保の松原が細かに彫ってある。その松に緑の絵の具を使ったのは詩人の持物としては少しく俗である。派出を好む藤尾の贈物かも知れない。
「いえ、迷惑だなんて。こっちから願って置いて」と小夜子は頭から小野さんの言葉を打ち消した。