Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

東京が好いか悪いかは、目の前に、西洋の臭のする煙草を燻らしている青年の心掛一つできまる問題である。船頭が客人に、あなたは船が好きですかと聞いた時、好きも嫌も御前の舵の取りよう一つさと答えなければならない場合がある。責任のある船頭にこんな質問を掛けられるほど腹の立つ事はないように、自分の好悪を支配する人間から、素知らぬ顔ですきかきらいかを尋ねられるのは恨めしい。小夜子はまた口籠る。小野さんはなぜこう豁達せぬのかと思う。

胴衣の隠袋から時計を出して見る。

「どちらへか御出掛で」と女はすぐ悟った。

「ええ、ちょっと」と旨い具合に渡し込む。

女はまた口籠る。男は少し焦慮くなる。藤尾が待っているだろう。――しばらくは無言である。

「実は父が……」と小夜子はやっとの思で口を切った。

「はあ、何か御用ですか」

「いろいろ買物がしたいんですが……」

「なるほど」

「もし、御閑ならば、小野さんにいっしょに行っていただいて勧工場ででも買って来いと申しましたから」

「はあ、そうですか。そりゃ、残念な事で。ちょうど今から急いで出なければならない所があるもんですからね。――じゃ、こうしましょう。