Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
そうでしょうかを聞いた時、甲野さんは何となくありがたい心持がした。直下に人の魂を見るとき、哲学者は理解の頭を下げて、無念とも何とも思わぬ。
「いいですよ。それでいい。それで無くっちゃ駄目だ。いつまでもそれでなくっちゃ駄目だ」
糸子は美くしい歯を露わした。
「どうせこうですわ。いつまで立ったって、こうですわ」
「そうは行かない」
「だって、これが生れつきなんだから、いつまで立ったって、変りようがないわ」
「変ります。――阿爺と兄さんの傍を離れると変ります」
「どうしてでしょうか」
「離れると、もっと利口に変ります」
「私もっと利口になりたいと思ってるんですわ。利口に変れば変る方がいいんでしょう。どうかして藤尾さんのようになりたいと思うんですけれども、こんな馬鹿だものだから……」
甲野さんは世に気の毒な顔をして糸子のあどけない口元を見ている。
「藤尾がそんなに羨しいんですか」
「ええ、本当に羨ましいわ」
「糸子さん」と男は突然優しい調子になった。
「なに」と糸子は打ち解けている。
「藤尾のような女は今の世に有過ぎて困るんですよ。気をつけないと危ない」
女は依然として、肉余る瞼を二重に、愛嬌の露を大きな眸の上に滴しているのみである。