Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

「私は……」と小野さんは後を暈かしてしまう。

「なぜ行らっしゃらなかったの」

「別に訳はないんです」

「だって、古い御馴染じゃありませんか」

「え?」

小野さんは、煙草の灰を畳の上に無遠慮に落す。「え?」と云う時、不要意に手が動いたのである。

「京都には長い事、いらしったんじゃありませんか」

「それで御馴染なんですか」

「ええ」

「あんまり古い馴染だから、もう行く気にならんのです」

「随分不人情ね」

「なに、そんな事はないです」と小野さんは比較的真面目になって、埃及煙草を肺の中まで吸い込んだ。

「藤尾、藤尾」と向うの座敷で呼ぶ声がする。

「御母さんでしょう」と小野さんが聞く。

「ええ」

「私はもう帰ります」

「なぜです」

「でも何か御用が御在りになるんでしょう」

「あったって構わないじゃありませんか。先生じゃありませんか。先生が教えに来ているんだから、誰が帰ったって構わないじゃありませんか」

「しかしあんまり教えないんだから」

「教わっていますとも、これだけ教わっていればたくさんですわ」

「そうでしょうか」

「クレオパトラや、何かたくさん教わってるじゃありませんか」

「クレオパトラぐらいで好ければ、いくらでもあります」