Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
と右の手で黒いところを撫で廻す。
「頭を」と云いながら羅宇の中ほどを祥瑞の縁でとんと叩いて灰を落す。
「あんまり奇麗にもならんじゃないか」と真向に帰ってから云う。
「奇麗にもならんじゃないかって、阿爺さん、こりゃ五分刈じゃないですぜ」
「じゃ何刈だい」
「分けるんです」
「分かっていないじゃないか」
「今に分かるようになるんです。真中が少し長いでしょう」
「そう云えば心持長いかな。廃せばいいのに、見っともない」
「見っともないですか」
「それにこれから夏向は熱苦しくって……」
「ところがいくら熱苦しくっても、こうして置かないと不都合なんです」
「なぜ」
「なぜでも不都合なんです」
「妙な奴だな」
「ハハハハ実はね、阿爺さん」
「うん」
「外交官の試験に及第してね」
「及第したか。そりゃそりゃ。そうか。そんなら早くそう云えば好いのに」
「まあ頭でも拵えてからにしようと思って」
「頭なんぞはどうでも好いさ」
「ところが五分刈で外国へ行くと懲役人と間違えられるって云いますからね」
「外国へ――外国へ行くのかい。いつ」
「まあこの髪が延びて小野清三式になる時分でしょう」
「じゃ、まだ一ヵ月くらいはあるな」