Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「だって、そんなら早くそうおっしゃれば好いのに。これでもだいぶ心配して上げたんだわ」
「全く御前の御蔭だよ。大いに感泣しているさ。感泣はしているようなものの忘れちまったんだから仕方がない」
兄妹は隔なき眼と眼を見合せた。そうして同時に笑った。
笑い切った時、兄が云う。
「そこで兄さんもこの通り頭を刈って、近々洋行するはずになったんだが、阿父さんの云うには、立つ前に嫁を貰って人格を作ってけって責めるから、兄さんが、どうせ貰うなら藤尾さんを貰いましょう。外交官の妻君にはああ云うハイカラでないと将来困るからと云ったのさ」
「それほど御気に入ったら藤尾さんになさい。――女を見るのはやっぱり女の方が上手ね」
「そりゃ才媛糸公の意見に間違はなかろうから、充分兄さんも参考にはするつもりだが、とにかく判然談判をきめて来なくっちゃいけない。向うだって厭なら厭と云うだろう。外交官の試験に及第したからって、急に気が変って参りましょうなんて軽薄な事は云うまい」
糸子は微かな笑を、二三段に切って鼻から洩した。
「云うかね」
「どうですか。聞いて御覧なさらなくっちゃ――しかし聞くなら欽吾さんに御聞きなさいよ。