Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
宿の二階では甲野さんと宗近君に降っている。
甲野さんは寝ながら日記を記けだした。横綴の茶の表布の少しは汗に汚ごれた角を、折るようにあけて、二三枚めくると、一頁の三が一ほど白い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。鉛筆を執って景気よく、
「一奩楼角雨、閑殺古今人」
と書いてしばらく考えている。転結を添えて絶句にする気と見える。
旅行案内を放り出して宗近君はずしんと畳を威嚇して椽側へ出る。椽側には御誂向に一脚の籐の椅子が、人待ち顔に、しめっぽく据えてある。連の疎なる花の間から隣り家の座敷が見える。障子は立て切ってある。中では琴の音がする。
「忽※弾琴響、垂楊惹恨新」
と甲野さんは別行に十字書いたが、気に入らぬと見えて、すぐさま棒を引いた。あとは普通の文章になる。
「宇宙は謎である。謎を解くは人々の勝手である。勝手に解いて、勝手に落ちつくものは幸福である。疑えば親さえ謎である。兄弟さえ謎である。妻も子も、かく観ずる自分さえも謎である。この世に生まれるのは解けぬ謎を、押しつけられて、白頭にし、中夜に煩悶するために生まれるのである。親の謎を解くためには、自分が親と同体にならねばならぬ。